日本人の宗教を考えた場合、仏教を信仰している人が多いように感じます。ですが日本では宗教の自由が認められていることもあり、仏教の他に神道やキリスト教など様々な宗教に属していたり、またはあえて宗教に属しておらず無宗教の人がいたりします。文化庁が行った信者の割合の統計調査によると、神道信者の割合は48.1%、仏教系は46.5%、キリスト教は1.1%そしてその他の宗教に属している人が4.3%という結果でした。この結果により実は神道系の人が最も多いことがわかりました。ですが、宗教の自由が認められていることから他の国に比べると特定の宗教に属している人工は少なく、無宗教の人の割合も多いです。さらにたとえ宗教に属していたとしても、年に数回のみ祈りを行う国は世界的に見ても大変珍しく、世界の国からすると、日本人は無宗教だというイメージを持たれることもあります。
無宗教とは宗教に属していない人のことを指しています。海外のリサーチセンターが2012年に発表した統計によると、日本人の約6割は無宗教だという結果がでています。ただし、海外と異なり日本では仏教や神道を信仰する場合、入会における儀式は行わず、基準がしっかりと定まっていないので実際に半数以上が無宗教とは限りません。ですが実際に宗教について聞かれるとはっきり答えることができないのも現状です。
このようなことが起こるのは、日本古来から自然や人が神とあがめられていた歴史が関係しており、ただ一人の神を信じて熱心に信仰することに抵抗を感じるためです。そのため新興宗教に抵抗感を抱いてしまうこともあり、新興宗教に属している人に対して警戒してしまうこともあります。
とはいえ日本人は無神論者ではありません。無神論とは神というものは存在しないという哲学上や宗教上の立場を指しており、もともとはキリスト教信者がローマの神を否定したことから言葉が発生しています。日本人は他の宗教における神を否定しているのではなく、さらに神を信じていないわけではありません。なにか願い事などがあれば神社や寺院に参拝をしたり、先祖を敬う儀式や神道的儀式を行ったりすることも多いです。さらに葬儀においては仏教式で行ったとしても、結婚式は教会で行うなど、どの宗教を信仰しているのかあいまいになっている部分もあります。その結果しっかりとしたこれといえる宗派に属していないので、筋が通っていないように見えてしまいます。
日本においては神社への参拝の機会が大変多く、1年を通じての行事も神道由来のものが多いです。そのため割合として仏教よりも神道信者の数が増えています。