神社にお参りに行ったときに、二礼二拍手一礼といった形で、両手を合わせて手を打ち鳴らして拝んだ経験のある人は多いでしょう。この時、両手を打ち鳴らすことを柏手(または拍手)と呼びます。柏出という字は誤りなので、注意してください。日本の伝統的な礼拝形式であるため、呼び名を知っている人も多いでしょう。しかし、なぜ柏手を打つのかについては、あまり知らない人が多いです。詳しく理解しておくことで、神社に行ったときに安心して拝めるようになります。
実は柏手は古代から日本に存在していますが、具体的に記録があるのは魏志倭人伝です。昔は尊敬する人に会ったときにはあいさつ代わりとして行われていたといいます。また、神様にお祈りするときにも同じようにしていました。つまり昔は尊敬する人・神様に関わらず、尊いとその人が感じたものに関して行っていたと考えられます。しかしその後歴史が進むにつれ人への行動は徐々に行われなくなり、神様へだけ残ったとされている説が主流です。それ以外にも古来日本人は武器を持っていないことを明らかにするために手を打ってあいさつしたという説もあります。
なお、明治時代以降二礼二拍手一礼が定番とされてきましたが、それ以前は各神社によって儀礼の方法に違いがありました。現在でも一部神社では独自の方法を採用しているところが少なくありません。最高8回打ち鳴らすところもあります。神社に行く前にホームページを確認すると参拝方法について解説していることが多いため、失礼にならないように参拝方法を確認してから出かけましょう。
人によっては大きな音を立てて手を打つことが苦手と感じる人も少なくありませんが、神社ではできるだけ大きな音を立てて手を打ってください。音を立てないで打つことは忍び手と呼ばれ、亡くなった方を悼むための物だからです。そのため、音を響かせずに参拝することは失礼にあたります。
大きな音を立てて手を打つことで神への感謝や喜び、敬意を伝えることになりますし、邪気を払うことにもつながるため、必ず神社ではなるべく大きな音を立てましょう。音を立てるのが苦手な人の場合、練習してから出かけませんか。打つときには左手の第一関節部分に右手の指の先が当たるようにして手を打つことが重要です。神道では左手を神聖な物としているからだといいます。力いっぱい打つと手が痛くなってしまうため、手首から両手を打ち合わせるようにすると大きめの音が出る可能性は高いです。