神道:日本で主要な宗教と古代からまつわる伝統    

日本人の主要宗教の一つといえば神道が挙げられます。古代から引き継ぐ伝統や行事なども多くあり、日本人は意識していないながらも、様々な宗教行事を行なっているのです。

一般的に行われる伝統や行事としてあげられるのが、「はつもう」です。初詣は年が明けてから神社に参拝することですが、氏神様やその年縁起が良いとされる恵方にある神社、崇拝する神社などにお参りをして新年の平安と無事のお祈りを行います。もともとは、年籠りと言って家長が大晦日の夜から朝にかけて氏神神社に籠るという習慣が起源だとされています。

門松も神道の伝統です。各家の門前に飾る門松は、正月に神様をお迎えするためのものになります。正月にやって来る神様は歳神と言って一家の守護神であり、御先祖であると考えられています。門松でおもてなしをして、祖先と子孫が新年をお祝いするという意味があります。

節分も神道の行事になります。平安時代では邪気や災難を追い出すための追儺の儀式を行なったとされています。これが起源となって、節分に厄除のために豆まきを行う地方も多いです。古代から3月上旬に禊によって厄を払うという習慣がありましたが、それに使われていたのが紙や木を人に似せて細工した人型になります。その人型で自分の体を撫でて穢れを移し、それを川に流すことで邪気払いを行なったのです。そこから平安時代に流行っていた人形遊びと邪気払いが結びつき、今の雛祭りの原型にされています。

4月になると、多くの神社では春祭りが行われるようになります。農耕の始まりをお告げして、神の加護のもとで無事に多くの実りが得られるように祈願する祭になります。

5月になると端午の節句が行われます。子どもの成長を祝う行事で、この日に菖蒲湯に入ると邪気を払って火災を取り除くと信じられています。

他にも、夏には七夕や災害を起こす神を鎮めるための夏祭り、秋には月に五穀豊穣を願う観月祭や実りを祝う秋祭り、11月には子どもの成長を祝う七五三、12月には新年を迎えるための大掃除である煤払いなど神道由来の行事はたくさんあります。