神道のお供え「神饌(しんせん)」 とは?

御神饌とは神道で、神社や神棚に供える「お供え物」や祭りのときなどに献上する食事のことを指します。その御神饌をあとで参列者たちでいただくことを「神人共食」といい、それが日本の祭りの中で行われてきました。

神道のお供え「神饌(しんせん)」 とは?

お供えするものとして米や酒も地や野菜、それに魚や鳥類、塩や水などのほか、地元で採れる産物などが挙げられます。また、食べ物でも生でお供えするものもあれば調理をする場合もあります。

仏教では人が亡くなり初めてのお盆には「初盆」の行事が行われます、神道でも「初盆祭」や「新御霊祭」などといわれる行事が行われます。仏教でいう初盆は、個人の四十九日が住んで初めてのお盆が初盆ですが、神道ではなくなってから1年以内に迎えるお盆が初盆です。お盆自体仏教では先祖を供養するためのものですが、神道の場合は先祖に感謝をする意味と、1年間家族に不幸がなかったことを祝うための行事とされています。このように神式の場合はお祝いの意味も含んでいるところが、仏式と異なる点です。

仏教では初盆を迎えると精霊棚ともいわれる盆棚を作って位牌やリン、ろうそくや線香を用意してお供え物を用意して、故人をお迎えしておもてなしをします。神式の場合は盆棚や仏壇はありませんが、祖霊舎という社を祀って仏式の位牌と同じような「霊璽」を祀ります。初盆には祖霊舎の前に精霊棚のような棚を置いてそこにお供え物を供えます。その際に供えるものとして仏式と異なるのは、米や持ちとともに榊を供えるところと尾頭付きの魚を供えるところです。仏式では榊や生の魚などは供えませんが、神式ではそれらを供えます。

神道の初盆祭では、まず自分の手や口を漱いで身を清めてから神棚や祖霊舎をきれいにします。次に精霊棚のような棚を作り、米・酒・もちと順に神饌物を供え、提灯を用意します。13日の夕方から夜にはオガラを燃やして迎え火をして故人を迎え入れ、お墓参りをするのですが仏教では僧侶に読経を上げてもらうところ、神式では神主さんに祝詞を上げてもらいます。その後会食をして神饌物をいただき、送り火をしてお送りするというの初盆祭の流れです。

初盆祭で神主さんに祝詞を上げてもらう時は、お布施のようなものを用意する必要があります。のし袋の表には、「御祭祀料」や「御初穂料」と薄墨ではなく濃い墨で書きます。相場は30万円から50万円で、のし袋を選ぶときは蓮の絵の描いたものは神式では用いられないので注意をして、黒白か黄白の結びきりのものを選びます。