神道における戒名・諡(おくりな)の付け方やの違いとは?

仏教では亡くなった方の呼び方として戒名が付けられ位牌や墓石にその名が記されますが、諡(おくりな)とは神道において戒名にあたります。神道 戒名はおくりなとされ、神道では亡くなった方の呼び方となり謚の意味は神を敬うとされています。神道では亡くなるとご先祖様と共に家の守り神になると言い伝えられており、謚 意味は先祖神と故人を尊んで礼を尽くすためのものです。

神道における戒名・諡(おくりな)の付け方やの違いとは?

戒名との違いは名付けられるタイミングで、戒名は元々は信者が修行僧になった証として与えられたもので、それが時代の流れと共に故人が亡くなられた後に僧侶から与えられるものに変化して行きました。
一方、謚は生きてるうちに付けられることは無く、亡くなった時の年齢や性別などから相応しい名称が与えられます。諡の付け方は、お布施を支払ってから僧侶の判断で付けてもらう戒名とは違い、一定の法則が設けられています。氏名の後に年齢や性別に合わせた諡に命や霊を付けたものとなり、氏名が使われるのは亡くなられた後にその家の守り神になることが表現されているのも特徴です。

性別や年齢による諡の例では、3歳以下に限り男女共通で嬰児を付け、4歳から6歳以下では男性が稚郎子、女性は稚郎女ですが、どちらの性別でも稚児を付けますが、それらを除いた年齢では性別ごとに区分されています。7歳から15歳以下では男性が郎子や童子、女性が郎女や童女、16歳から19歳以下では男性が比古や彦、女性が比女や姫です。ここまでは各年代と性別で2種類ありましたが、成人以降になるとそれぞれ1種類になります、20歳から40歳以下では男性が郎男、女性が郎女、41歳から70歳以下では男性が大人、女性が刀自、そして71歳以上では男性が翁、女性が媼となります。

基本的には以上の名称が使用されますが、一部の地域や神社では大人の男性を大人、女性を刀自、子供の男性を彦、女性を姫としている場合もあります。故人の氏名にこれらの名称を組み合わせることで、諡を構成しています。これらの諡は通夜のあとに実施される遷霊祭で付けられ、亡くなられた方のご遺体から御霊を開放して霊璽に移す儀式が行われます。御霊が宿った霊璽を家に祀ることで、その家の守り神となります。

戒名の場合は付けてもらう際に僧侶へのお布施が必要なだけではなく、その金額によって内容が変わってしまうケースも少なくありませんが、神道ではその成り立ちが根本的に異なり、諡を付けてもらう際に一切の費用は必要ありません。