神道と動物の関係について

神道は神話や八百万の神、自然や自然現象などの自然と神は一体であるという日本の民族宗教を指します。イメージしやすいものだと稲荷神社のキツネがもっとも身近なもので、穀物や農業の繁栄を願って祭られたというのが起源です。五穀をつかさどる、御食津神・ウカノミタマを祀っています。

田んぼの稲を食害するネズミや昆虫を捕まえていた動物がキツネだったため、紙のお使いとしてまつられるようになりました。このため、多くの動物が神の御使い(神使)を意味するようになったのです。ときには紙そのものに称えられることもあり、その範囲は哺乳類から鳥類、爬虫類から想像上の動物まで非常に幅広く、まさに八百万の神を体現しています。伊勢神宮では鶏が放し飼いにされていますが、これは伊勢神宮で祀る神使が神話の記述や演技に基づいて境内で飼育されるようになったのが由来になります。

このほか奈良のシカも有名ですが、同様の理由で神様をお連れした白い鹿が御使いである自然に大切にするようになっています。日本以外でもインドで牛は神聖な動物としてあがめられていて、境内に放し飼いになっています。同じ哺乳類だと、ウマは神社の絵馬にも登場するように紙霊の乗り物として神聖視されることが多く、日本では江戸時代まで四足歩行の動物の殺生は禁じられたほどです。ちなみに絵馬の期限は古代、祈願のため神社に馬を奉納していてそれが神馬を模った木などを奉納になり絵馬へと変化したとされています。話を別の視点で見ると、人を守るという御使いもいます。

比叡山は昔の都である京都の鬼門にあたり、宗教的にも重要な場所です。その麓に鎮座する日吉大社では、神使いとしてサルを大切にしています。鬼門では特に重要な「魔が去る」という言葉が転じて、神猿(マサル)となり進行の対象になったと言われています。かの豊臣秀吉も「勝る」という考え方や、織田信長より「サル」と呼ばれていたことが縁で日吉大社を厚く信仰するというエピソードもあります。

先ほどのキツネと同様に五穀豊穣で進行されてきたのが、オオカミです。現在は西洋の考え方によって絶滅してしまいましたがそれ以前は、イノシシなどから作物を守る神として神格化されています。ほかにもヤマトタケルノミコトの道案内をつとめたのが、オオカミの化身である大口真神(オオグチノマガミ)とされていて神話にも登場している馴染み深い動物だったのです。最後に、今はあまり好かれていないカラスも道案内の神様であると知られています。神武天皇を案内したとされる八咫烏(ヤタガラス)がが有名です。